| 都筑晶裕 / 土屋武士 (25号車 ZENT Porsche RSR / GT300) 予選9位 / 決勝 リタイヤ |
5月21〜22日、東日本大震災の影響で延期となっていた「SUPER GT 第1戦 OKAYAMA GT 250km RACE」が岡山国際サーキットで開催された。
今年で参戦2年目となる「SAMURAI Team TSUCHIYA」だが、昨年の岡山大会は出場していないため岡山は今回が初となる。とはいうものの、都筑晶裕・土屋武士のコンビにとっては、一昨年にここ岡山で開催された
「アジアン・ル・マン・シリーズ」にアストンマーチンで参戦し、クラス優勝を飾っている相性の良いサーキットでもある。
実質上の開幕戦となった3週間前の富士大会では、見事3位初表彰台を獲得した25号車「ZENT Porsche RSR」。富士の勢いそのままに、25号車は攻めの走りで岡山ラウンドに望んだ。
【公式予選】
当初の予定から2ヶ月近く遅れて開催されることとなった岡山ラウンド。早朝に雨が降ったものの、午前9時からの公式練習は薄日が射す曇り空のドライコンディションで行われた。25号車は前日の練習走行時に投入し
たアップデートパーツを装着して走行。主に都筑がステアリングを握り、12位で練習走行を終えた。
午後になると太陽も顔を見せ、気温も28度まで上昇。今大会の公式予選はQ1〜Q3のノックアウト方式が採用された。昨年まではノックアウト予選とは別に「予選1回目」というセッションがあったが、今回はいきなりQ1
の開始となる。Q1は12時30分から50分間の走行時間で、全車両・全ドライバーが出走して予選通過基準タイムを達成しなければならない。そして、次のQ2に進むには、GT300クラスは上位16台以内に入らなければな
らない。25号車は両ドライバーともに難なく基準タイムをクリアするが、思いのほかマシンが安定せず14位と大苦戦。原因は投入した新パーツにあることが分かっていたため、チームはQ1終了後にフロント周りのパーツ
を元に戻す作業を敢行。90分間という限られた時間をフルに使い、チームメカニックは午後3時のQ2スタート時刻までに見事に作業を完了させた。
Q2ではさらに6台が脱落し上位10台がQ3へと進むこととなるが、タイム計測は僅かに10分間。パーツ変更に伴うセッティングの確認を行う暇もなく土屋がアタックを開始した。そんな状況にも関わらず開始から4分で赤旗
中断、出鼻を挫かれる形に。しかし残り6分間で予選が再開されると、全車がタイムアタック!めまぐるしくかわる順位の中、土屋はQ1の自己ベストタイムをコンマ2秒以上縮めて見事6位に食い込みQ3進出を決めた。 Q3までのインターバルには、Q2と同じタイヤの使用が義務付けされているQ3に向けてチームはタイヤを一旦外し水につけて冷やしていく。Q3のアタッカーは都筑。都筑もパーツ変更後の確認走行の時間はなく、Q3の計
測時間はQ2からさらに縮まり8分間。そんな状況の中、都筑はQ1時にニュータイヤでマークした自己ベストに匹敵するタイムで9位につけた。この結果を受けて、25号車は翌日の決勝レースを9番手からスタートすることが
決定した。
【決勝】
迎えた決勝日は早朝に激しい豪雨がサーキット周辺を襲い、朝8時半からのフリー走行は中止となった。幸いにも9時頃には雨はほぼ止み、天候は急速に回復。朝のフリー走行の代替として25分間に延長された12時38分
からのウォームアップ走行時には完全ドライコンディションとなった。このセッションでは土屋・都筑の順にドライブし、雨の影響で変わってしまったコースコンディションとマシンの最終確認を行った。
セッティングも微調整程度で順位も8位と好感触を得た。
いよいよ午後2時にフォーメーションラップをスタート。1周後、250km/68周の決勝レースがローリングスタートで幕を開けた。25号車のスタートドライバーを担当した都筑は、激しいポジション争いが展開される中、9位のポジ
ションをキープ。2周目の1コーナーでは勢いよくインに飛び込んできた41号車フェラーリに、ここは無理をせず先行を許す。岡山はコース幅が比較的狭いため接触が起こりやすく、都筑は慎重にラップを重ねていく。
特にGT500クラスのマシンと入り乱れながらのバトルは、一瞬のミスで簡単に脱落してしまう。次に都筑に仕掛けてきたのは86号車のランボルギーニ。都筑は「相手の方が速いところさえ抑えれば抜かれない自信があっ
たし、500が絡んできた時に絶対にチャンスを与えないように走っていた」とコメント。その言葉どおり、きっちりと86号車を抑えきった。
レースは20周を過ぎると、後方から再びGT500クラスの集団が迫ってきた。ここで25号車は先陣を切り、都筑が21周を走り終えたところでピットに入った。25号車は給油と左側2輪のみのタイヤ交換を行い土屋にスイッチ。土屋春雄監督いわく「抜群のタイミングで入れた」というピットインだった。しかし、悪夢が25号車を襲う。土屋はピットアウト後1周してメインストレートに戻ってきたところで失速。そのままピット出口付近にマシンを停止。、25号車はそのままリタイヤとなった。失速の原因は、リアタイヤのナットが外れてしまったため。タイヤ交換の際にタイヤ交換作業が終わる前に、ワンテンポ早くジャッキが下がってしまったことが原因のようだ。
あってはならない作業ミスだが、タイヤが外れ大事に至らなかったことが不幸中の幸いだった。
■都筑晶裕選手 コメント
トラブルなどがあり金曜日の練習走行であまり走れなかったので、そういうことも含めてちょっと流れが悪いかなと予選も心配していたのですが、土屋選手の頑張りでQ2を通って、Q3では僕が9番手。レースは10番手以内
からスタートして、僕が前についていければピット戦略で表彰台もいけるという良い感触は掴んでいました。後方から迫られましたが抑える自信はあったし、自分で良いペースも作れてそれほど前に離されずに追いかける
レースが出来たと思います。僕は僕なりに土屋選手にうまくバトンを渡せたと、これなら作戦どおりピット作業で逆転出来る、と思っていたので結果はもちろん残念でしたが、そういったトラブルもレースには付き物です。
今後そのようなことを1つずつ無くしていって、ドライバー・チーム・メカニック全てが合体した時に優勝できると思っていますのでまた次回頑張ります。応援していただきありがとうございました。
■土屋武士選手兼チーム代表 コメント
今回は2011年バージョンのアップデートパーツを投入して、特にフロントのダウンフォースが増えるはずだったのですが、結果的にバランスがうまく取れなくて予選中に元に戻しました。随分悩みながら一生懸命やって、何
とかイメージどおりには持っていけたので良かったと思います。レースに関しては状況的に戦略もバッチリで、全車ピット作業が終わった時には表彰台圏内でレースが出来ると確信していました。
ここまでそういうイメージを作って準備をしてきましたが、肝心な時に出てはいけないミスが出てしまい、今は非常に複雑な心境です。僕はチームを率いている立場でもあるので、そういう意味では非常に責任が重いことだ
と感じています。色んな意味でやるべき課題があって、それをしっかりとこなせていなかった結果が今日の結果だと思います
。難しいことですが、まずはそれをしっかりと受け止めてステップを上げていきたいと思っています。前に進むためにはこれを乗り越えていかなければならないので、僕自身もそうですけど、チーム1人1人の気持ちをしっかり
と次に向けて繋げていきたいなというのがレース後の率直な気持ちです。応援いただいた皆さま、ありがとうございました。
■土屋春雄監督 コメント
新パーツに関しては、基本的にリヤの空力がフロントに比べて少ないためバランスが崩れてしまい、結果的にちょっと難しいかもしれないということで元に戻しました。3月初旬にテストしたデータもあったのでそれで何とか
ギリギリ間に合わせた感じです。テストが無いのでレースウィークで投入するしかないから大変は大変ですね。
決勝日はどのチームも一緒ですが、雨でせっかくコースに乗ったラバーが流れてしまいタイヤ的にもきつくなる中、都筑選手はしっかり前についていってくれました。そしてピット作業のタイミングは抜群だった。作戦的には
1つのミスを除いてベストだったわけです。でも1つでもミスをするとレースはこういう結果になってしまうから絶対にあってはならないことです。一生懸命走ってくれたドライバーと応援してくれた皆さまに申し訳ない気持ちで
いっぱいです。






















