| 24号車 青木拓磨、土屋武士、takamori.com |
予選 4位 決勝 8位 |
| 62号車 吉橋孝之、塩谷烈州、太田侑弥 |
予選 1位 決勝 3位 |
梅雨まっただなかの6月26日~27日に富士スピードウェイで開催された「スーパー耐久第4戦SUPER TEC」にSUNOCOがサポートする「takuma-gp team KOMACHI」、24号車、青木拓磨、土屋武士、takamori.com。「ホンダカーズ東京 with G/motion」、62号車、吉橋孝之、塩谷烈州、太田侑弥。2チームが同じST-4クラスに参戦した。
【予選】
「takuma-gp team KOMACHI」
今年、14年ぶりに国内レースへの復帰を果たし、ハンドドライブで全日本級のレース「スーパー耐久」に挑戦している車いすドライバー青木拓磨。旧知の友人である土屋武士をはじめ、彼をバックアップする仲間達「takuma-gp team KOMACHI」が再びサーキットに姿を現すこととなった。開幕戦以来となるチャレンジ2戦目となる。
車両は開幕戦同様24号車「SAMURAI 無限 ADVAN DC5」(ホンダ・インテグラ)。ドライバーに青木拓磨、土屋武士、Takamori.com と息の合った3人が名を連ね、今レースも土屋武士が代表を務める「Team SAMURAI」がメンテナンスを請負う。開幕戦以降、ハンドドライブシステムの改良のために時間を掛けて第2戦、第3戦をスキップ。その成果が試される4時間の耐久レースが幕を開けた。
お昼前から小雨が断続的に降り出し、湿度も高く梅雨特有のじっとりとした空気に包まれた富士スピードウェイ。本レースは2Day開催のため土曜日に公式予選が行われた。
セミウェットコンディションで迎えた公式予選は、まずA ドライバー予選が午後1時45分にスタート。ST-4クラスにエントリーしている24号車は前日の金曜日に練習走行を行ったが、ドライコンディションでの走行だったため、青木にとってはぶっつけ本番のウェット路面での予選となった。慎重に路面コンディションを確認しながらラップを重ねる度にペースアップする青木。ラストアタックとなった計測6周目にはそれまでの自己ベストタイムを1秒近く縮め、クラス10位でチェッカーとなった。
続いて行われたB ドライバー予選では、唯一土屋がドライタイヤを装着してコースイン。だが開始直後に赤旗が掲示され予選は一時中断。約20分後に再開されると、雨がほぼあがっていたこともありライバル勢も数台ドライタイヤでアタックへと向かった。走行ラインが少しずつ乾いていく難しいコンディションでの予選は、土屋の読みが当たりドライタイヤ装着車での上位争いとなった。土屋がトップタイムを出せばすぐにライバルもベストタイムを塗り替える。その繰り返しで白熱した予選は、土屋がクラス2位、総合でも38 台中10位と大健闘。予選総合結果はA・B ドライバーの合算タイムで決定され、24号車はクラス4位、総合23位と大きな飛躍を見せた。
午後4時からはC ドライバー予選が行われ、Takamori.com がコースイン。この予選は順位には影響しないが、明日の決勝へ向けたマシンの最終調整の重要なセッションとなる。小雨が降る中、ドライタイヤで予選基準タイムを僅か1周でクリアするとTakamori.com はさらにペースアップ。クラス4番手のタイムをマークしながらも、タイヤの皮むきなどしっかりと決勝へ向けた準備をこなし、24号車は好調をキープしたままこの日の走行を全て終えた。
「ホンダカーズ東京 with G/motion」
富士スピードウェイはインテグラにとって相性の良いサーキットの1つであり、シリーズポイント争いでも今回が折り返し地点となる重要なレース。事前準備はボディの軽量化や各部のチェック、など念入りに行ない、さらにレースウイークも木曜日から走行し、サスペンションのセットアップを行い万全の体制で臨んだ。
しかし、金曜日テストでは、なぜかサスペンションのセットが決まらない。今回のレースはシリーズ中1番走行距離が長くST4クラスでも約550kmの走行距離となるため、これが決まらないと非常に辛いレースとなる。なんとか2セッション目で太田選手が金曜日のST4クラス最速タイムを記録するが、本来のパフォーマンスからは納得できるタイムではなかった。
Aドライバー予選。これまでテストはドライのみであったが、予選はあいにくの雨となってしまった。昨年の富士でもフリー走行時に雨となったが、そこではトップタイムであったため、そのデータに基づいてセットアップして塩谷がコースイン。しかし車はアンダーステアが強くタイムはまったく伸びずにクラス8番手に低迷、過去最低グリッドであった。
続いてのBドライバー予選、セットを大幅に変更し予選にそなえた。グループ2(ST4クラス・ST5クラス)予選は、赤旗中断により予選時間が大幅に遅れたことにより、天候も回復し始め、路面が乾く寸前となっていた。先ほど変更したセットはドライ路面に合わせてあったためスリックタイヤで予選に出走。
太田選手はここでもすばらしいアタックをした。開始早々にトップタイムを連発しながら、同じくスリックでアタックしていた土屋武士選手と乾き始めた路面で、毎周トップタイムを入れ替えながら、SUNOCOサポートチーム同士のバトルとなった。最終的のクラストップタイムを記録し、総合(Bドライバー予選)3番手となる快挙となった。
【決勝】
土曜日の夜から雨・風が強くなり、荒れた天候となった富士スピードウェイ。天気予報では快復傾向と伝えていたが、雨は強弱を繰り返すだけで午後12時55分のレーススタート時刻を迎えても一向にあがることはなく、路面は完全にウェットコンディション。
そのため2周に渡りセーフティーカーが入り38台の隊列を先導した後、4時間の決勝レースは正式にスタートが切られた。
「takuma-gp team KOMACHI」
24号車のスタートドライバーは土屋武士。土屋はクラス4番手から順調な走りでポジションをキープしていく。各車のタイヤが温まってくると、やはり2戦のブランクが大きいのかマシンの差が出始め、特にストレートスピードに伸び悩んだ24号車は8周目までに9位に順位を下げてしまう。だが周回を重ねる度に土屋は徐々にペースアップ。雨が激しくなると、ここはベテラン土屋の腕の見せどころ。難コンディションでもしっかりとオーバーテイクも見せ、ライバル勢が早めのピット作業やトラブルで順位を落とす中、土屋は開始から1時間半が経過した頃には3位まで順位を上げ、トップと遜色のないラップタイムを刻んでいく。そしてレース半分の2時間、周回にして54 周を走り切り、クラス2位まで順位を上げてピットイン。給油を済ませTakamori.com に交代した。レースは第2スティント、6位でコースに復帰した24号車は順調そのもので、Takamori.com が快走を続ける。だが走行開始から16周目のストレートで突然のスローダウン!ピット出口付近でマシンを停めてしまう。しかし、Takamori.com はピットと連絡を取り合い諦めることなく、あらゆる策を講じ再びエンジンスタートに成功。ピットまで何とか戻れたため、24号車はこのタイミングで青木にドライバー交代を行った。開幕戦ではスタートドライバーを担当した青木。その時はマシンから降りるだけだったが、今回は乗り込まなければならない。当然時間のロスは増えると予測されたが何度も練習を重ねた結果、通常とほぼ同タイムでドライバー交代を終了し、マシンの調整/給油/フロントタイヤ交換を終えて戦列に復帰した。
レースは濃霧の影響でちょうどSCカーが導入されており、24号車は2周遅れながらも8位で戦列に復帰。約45分間という長時間に渡るSCカーランの時間を無駄にすることなく、青木はハンドドライブシステムのミッション不具合や走り方を調整に費やした。霧が晴れてレースが再開したのは午後4時20分。青木は残り35分間の中で、アクセルが戻らないというアクシデントに見舞われ一度はピットに戻ったものの、後方と差が開いていたためポジションはキープしたまま快走。そして午後4時55分に高々とチェッカーフラッグが振られ、長丁場の決勝レースの終わりを告げた。青木は27周を力強く走り切り、クラス8位、総合27位でしっかりとチェッカードライバーを務めあげた。
「ホンダカーズ東京 with G/motion」
スタートは塩谷が担当。クラスポールポジション、総合12番手というスターティンググリッドには、後続にST2クラス、ST3クラスの車両が10台以上という異例のスタートとなった。スタート直後、早速1コーナーでは上位クラスの車両に囲まれた状態になるが、路面がウエットの上、ST3クラスとST4クラスでは速度差もそれほどないため、そこから3周ぐらいは上位クラスとのバトルとなった。後続がほぼST4クラスだけになると、今回好調な60号車インテグラと12号車シビックがプッシュしてきた。8周目、序盤でのバトルを避け無理せずに先行を許し3位に後退。その後雨が強くなると、マシンの状態が良くなり、60号車を抜き返し2番手に浮上。その後、熾烈なトップ争いとなり、バトルは47周も続いた。結果的に18号車、333号車に先行を許すものの3番手をキープして吉橋選手に交代。ピットアウト後も吉橋選手の快走によって再び3番手までポジションをもどした。1番手、2番手は変らず、18号車と333号車。
そして70周目最後のピットイン、太田選手に交代、ピットアウト。しかし、濃霧のため、まさかのセーフティーカーが導入!4番手にいた60号車もここでピット作業を行い難なく3番手に浮上し、62号車太田選手は1周遅れの4番手に後退。
それでもレースは何が起こるかわからない、60号車が緊急ピットイン、すぐにピットアウトしたもののエンジン音がおかしい。リスタートすれば十分勝負できそうであった。
セーフティーカーがピットロードに入り、リスタートが切られた直後、太田選手は60号車をパスして前を行く2台を猛追するがついに及ばす長い4時間のレースに幕を閉じた。
結果的にセーフティーカー導入によって明暗が分かれた。3位表彰台を獲得したものの不本意な結果となった。
「takuma-gp team KOMACHI」
■高橋佳町監督 コメント
スーパー耐久のST4クラスは、プロとプライベーターとの境目が一番少ないクラスなので、プロがプライベーターに負けることもあるし、プロがプロだからこそ勝てるということもあります。そんな難しいクラスでいかにして順位を上げていくか、今チーム作りの大変さを痛感しています。ドライバーは自分の腕を上げる必要があるように、マシンも性能を上げて乗り手に相応しい車に仕上げるということがおのずと求められてきます。両方が揃った時に初めて結果がついてくる。今一番必要なことは、青木選手が乗って速く走れるセッティングをなるべく早い段階で見つけることだと思っています。そういう意味では今回はリザルトだけ見たら前回とあまり変わりませんが、内容は確実にステップアップしています。また、予選では天候を味方につけた部分があると思われるかもしれませんが、環境の変化に対応できる力があったからこそ運も味方につけられたのではないでしょうか。2戦目の参戦にあたり、必ずしも前回より良い結果を出せるという確率はそう高くはない中、次の段階を視野に入れた状況でレースを終えられたことは大きいです。牛歩の歩み程度かもしれませんが、チームの総合力が備わってきたのだと感じます。とは言え、目指しているものはもっと高いところにあるのでこれからも頑張っていきます。
■A ドライバー青木拓磨選手 コメント
メカニックのみんなが操作系の変更など時間をかけて整備を行ってくれたおかげで、大きなトラブルもなくさらにステップアップした充実したレースが出来ました。雨はもてぎの練習走行でクラッシュしているので悪いイメージしかなく、予選は全く攻められなかったです。決勝では2 人のドライバーの好走のおかげで盛り上がり、僕も絶対完走したかったし後方とのディスタンスもあったので無理をせず、自分のスティントを全うすることが大事だと思って走っていました。4輪レースっていうのはマシン並みにしか動かないってことが前回のレースで分かったので、今回はそのことを頭に入れながらレースに臨んでいました。他のタイムは意識せず、自分の出せる範囲でのタイムアップの仕方を思い描いてベストを目指す。2輪と一番違うところはそこなんですよね。2輪は自分が頑張ればなんとかなっちゃう部分があって、ラリーもそうだけど4輪はまず自分との戦いをすればいいんだと。前回はそれが分からず他と比べてイライラしていたところもあったのかもしれない。だから今回は周りからも「拓磨今回は落ち着いているな」ってよく言われました。完走のイメージも掴めたし雨のレースも経験できた。こうして自分のマイレージを少しずつ重ねていって、どんどんベストを上げていきたいと思います。今日は悪天候の中を応援していただきありがとうございました。
■ B ドライバー土屋武士選手 コメント
今回はしっかりと準備期間もあり、金曜日の練習走行から流れの良いまま予選に臨みました。天候の変化に対する読みが当たり順位も4位でした。決勝日は雨でしたが周りの実力が高く、ポジション的にはあれが今の実力かなぁという感じです。でもコーナリングでは負けていないことも分かったので、今後はストレートスピードを伸ばせれば追い付けることも見え収穫もありました。戦略的にも1回目のスティントを伸ばしたことで幅も広がり良かったのですが、Takamori.com 選手のスティントでマシンにちょっとした不具合が生じてしまい2周遅れになりました。その後、青木選手も頑張ってポジションをキープして完走できました。次のステップに上がるための課題も見えて、自分の中ではすごく納得のいくレースでした。ハンドドライブシステムはレースをやればやるほど色々な不具合が出てくるし、青木選手がパイオニアだけあって苦労もあるけれど、それを一緒にクリアしていくっていう活動は進んでいます。時間をかけてでも続けていきたいと思っていますし、止めるわけにはいきませんからね。今日は雨の中を応援ありがとうございました。
■ C ドライバーTakamori.com 選手 コメント
金曜日のドライでの練習走行で、3人のタイム差が1秒以内に入ったので「これはいけるぞ」という強い感触がありました。戦略も開幕戦とは大きく変えて土屋選手がスタートで、青木選手がチェッカーというプランで益々期待が高まりますよね。でもレースではちょっとしたトラブルが出てしまい表彰台には届かず残念でした。トラブルの原因はこれからチームが調べるので今は分かりませんが、ストレートで突然異音がしてスローダウン。無線でピットと交信しながら色々なスイッチを試して何とか繋がったという感じでした。丸々1 周損しちゃったわけですが、SC カーがちょうど入っていたので青木選手に替わりました。レース的には開幕以上に楽しませていただきました。また次回も乗りたいと思うのでスポンサーを頑張って探そうかなぁと思います。今日もたくさんの応援をありがとうございました。
