スーパー耐久 NEWS

第1戦 2010年3月28日(日) ツインリンクもてぎ

24号車 
青木拓磨、土屋武士、takamori.com   
予選 9位
決勝 9位
62号車 
吉橋孝之、塩谷烈州、太田侑弥
予選 1位
決勝 7位

3月14日、新チーム「takuma-gp team KOMACHI」はスーパー耐久参戦についての体制発表会を行った。壇上には監督を務める高橋佳町(RQからレーシングドライバーに転向した元祖と言われる女性ドライバー)。チーム発足の中心人物でもあるAドライバーの青木拓磨、そしてメンテナンスを行う「SAMURAI」の代表でもあり自らがステアリングを握るBドライバー土屋武士の3人が顔を揃えた。なんとも不思議な組み合わせにも見えるが、実は3人は旧知の仲。このチームは青木拓磨のスピリットに共感し、共にチャレンジしたいという仲間達のレースに賭ける情熱から生まれた完全なるプライベートチームだ。
そんなチームが参戦するのは、スーパー耐久シリーズ。今年最も台数が多くドライバーも強豪揃いのST4クラス。マシンは「SAMURAI ADVAN DC5(インテグラ)」でカーナンバーは「24」となる。このマシンには青木がリスペクトする元F1ドライバー「故クレイ・レガッツォーニ」がプロデュースした「グイドシンプレックス」という手動システムを装着。これは車イス生活を送る青木のためのものだ。後付けのシステムなのでもちろん通常のドライブも可能。ここに健常者と障害者が同じ土俵で競い合える全日本選手権初の“共生”が実現した。

青木拓磨 選手 : 元ロードレース世界選手権(WGP/2輪世界最高峰レース)・GP500クラライダー。
95、96 「全日本ロードレース選手権スーパーバイク」 チャンピオン。
97 「ロードレース世界選手権・GP500クラス」にホンダワークスライダーとして参戦。シリーズ5位(最高位2位、3位:2回)。
98 開幕前のテスト中の事故で脊髄損傷、半身不随となり現役引退。
JAFがライセンス発給に消極的だったため、アジアクロスカントリーラ
リー、ダカール・ラリーなどに参戦。旧知の友人である土屋武士などともに長年JAFに対しライセンスの限定解除を求める働きかけが実り、14年ぶりの国内レース「スーパー耐久シリーズ」への参戦が実現。

ST-4クラスには、G/motion 塩谷烈州 氏率いる「ホンダカーズ東京 with G/motion」が参戦。マシンは「62号車 ホンダカーズ東京 G/M インテグラ」。
ドライバーには塩谷烈州 選手、吉橋孝之 選手に加え昨年ST-3やインターシリーズに参戦していた太田侑弥選手をBドライバーに迎えるとともに、エンジンのパワーアップが図られトラブルなどに対応するべくマネージメントでウエタケエンジニアリングにも協力を要請、車両の各部品も協賛各社より、さらに強力なコンポーネンツのサポートを受け、戦闘力・体制を強化し望んだ。

【予選】
「takuma-gp team KOMACHI」
今大会は午前に公式予選、午後に決勝レースが実施される1Day開催となる。新チーム「takuma-gp team KOMACHI」は前日の練習走行後に大きなトラブルが見つかり、深夜まで対応に追われたチームはかなりの寝不足状態でデビュー戦の朝を迎えた。加えて夜中には雪が舞うほどの極寒となったスーパー耐久開幕戦の舞台「ツインリンクもてぎ」。幸い降雨等の心配はなく曇り空のドライコンディションの下、8時55分にAドライバー予選が開始された。24号車は青木拓磨がステアリングを握る。計測時間は15分。
青木は1周のチェック走行の後いよいよアタックへと向かった。気温・路面温度が真冬並みに低いためタイヤになかなか熱が入らない。その上「足が当たっちゃって…」と、ベストなドライビングポジションとはいかず、計測1周目にマークした2分15秒227がベストタイムとなり10位で予選を終えた。続いて行われたBドライバー予選には土屋武士が出走した。土屋は1周の後一旦ピットへ戻り、4本のタイヤに均等に熱を入れるため前後のタイヤを入れ替える徹底ぶり。そして再びコースインすると7番手のタイムをマーク!
土屋は納得がいかない様子で再度アタックをかけようとするが、チェッカーが振られ時間切れに。予選順位はこの2名の合算タイムで決定され24号車は総合24位、クラス9番手。このポジションから決勝レースをスタートすることとなった。
その後は20分間のCドライバー予選が行われ、24号車はTakamori.comが出走。この予選はスターティンググリッドには影響しないが、予選通過基準タイムクリアが必須となる。彼は僅か1周で軽々と基準タイムをクリア!順位もクラス4位と力走を見せた。

「ホンダカーズ東京 with G/motion」
一方、62号車は、Aドライバー予選では塩谷が冷たい路面の中アタックに出るがマシンのコントロールにミスがあったものの3番手。Bドライバー予選ではテストから絶好調の太田がシビックインタードライバーの貫禄を見せトップタイムをたたき出した!結果合算タイムでもクラス1位となり、見事ポールポジションを獲得した。

 
【決勝】
「takuma-gp team KOMACHI」

いよいよ迎えた決勝レース。グリッド上ではレースウィークを通じて課題となっていたドライビングポジションの最終確認を行い、いよいよ午後1時に気温5度と厳しい寒さの中フォーメーションラップがスタートした。24号車のスタートドライバーは青木拓磨。青木は緊張と興奮の最中、ローリングラップの90度コーナーで極端に冷えた路面を相手に手こずりスピン!ヒヤッとする場面だったが、すぐにコースに戻り無事にスタートを切った。ツインリンクもてぎのロードコース1周約4.8kmを84周(400km)して競われる今大会。エントリーは全28台、24号車が出場するST4クラスは11台と混戦模様になっていた。そんな中、最後尾まで順位を下げた青木だったが、2周目には早くも1つポジションを上げ10位に。4周目には何と予選で記録した自己ベストタイムを更新する走りを見せるなど順調に周回を重ねていく。しかし悪夢は突然やってきた。
レースもまだ序盤の7周目に青木から無線が入る、「4速のギヤが壊れた!」。この時青木は「まだ2・3・5速があるじゃないか」と逆転の発想で自身を奮い立たせ走行を続けたという。その後はマシンを労りながらの走行を強いられるが、予定周回数の20周をしっかり走りきりピットへ向かった。ピットでは多くのカメラフラッシュを浴びながら注目のドライバー交代。まずチームクルーが運転席から青木を抱えて降ろし、足下のパネルを開けるともう通常のドライビングシートに。ほとんどロスなく土屋にドライバー交代を行い、給油とタイヤ交換を終え24号車は戦列に復帰した。
2スティント目の土屋はさらに過酷な状況となった。3速ギヤも失い、使用可能な2速と5速のみでの走行を余儀なくされた。ベテランの土屋の腕を持ってしても、レースを戦うにはあまりにも厳しい展開。しかも、ここもてぎはストップ&ゴーと呼ばれるサーキットで、急加速・急減速のコーナーが繰り返し続く。だがこのような致命的な状況下でも諦めることを知らない土屋は徐々にペースを上げ果敢に攻め、レースを続けること自体困難な状況の中、順位を9位に上げ、27周を走りきるとピットイン。
給油のみを行い最後のスティントをTakamori.comに託した。「これ以上壊れないことを祈るのみ」と言う土屋は細かく無線で指示を出し、“マシンを労りながら速く走る方法”を伝授。まさにドライビングスクール状態だ。彼も最後まで諦めない精神を受け継ぎ、しっかりとペースを上げていく。残り10周を切って後方のマシンがスパートをかけてくるが、「最後は5速だけでした」というマシンを操りながらも、後方を全く寄せ付けずフィニッシュ!24号車はデビュー戦にして見事完走のチェッカーを受けた。
最終リザルトは総合23位でクラス順位は9位。決して良いリザルトとは言えないが、レース後のピットには大勢のメディアやファンが訪れた。長丁場のレースを最後まで諦めずに走りきる姿は、観ている人々に多くの感動を与えられたようだ。
チームとしても、メカニックがほぼ徹夜で仕上げた大切なマシンを3人のドライバーが大事に大事にゴールまで運ぶ…1人1人がプロの仕事に徹し、なおかつ誰もが心からレースを楽しんでいた。まさにレースの原点ここにあり!ゴール後の彼らの笑顔は本当に輝いていた。

「ホンダカーズ東京 with G/motion」
62号車のスタートドライバーは太田選手がつとめた。スタートでは昨年のチャンピオンチームに先行されてしまったが、その後ろをぴったりマーク、10秒前半という速いラップタイムでトップにプレッシャーをかける。しかし6周目あたりからエンジンがくすぶり始めた、その後は周回ごとに状況は悪化してラップタイムも3秒以上悪化、ピットでは改善策を講じるが、あろうことか無線までもこのような時に限って調子が悪く、状況が今ひとつつかめない。19周で太田が緊急ピットイン。ピットではインジェクターやエンジンの電気系統の部品を一通り交換。ドライバーも吉橋に交代、給油を行って4周遅れでコースに復帰した。この時すでにエンジン不調の上に4速ギアも失っていた。
優勝を狙っていたところから一転、完走を目指して、ポイント圏内でのゴールを目標に置き換え、作戦を立て直した。
吉橋に交代後エンジンの不調は改善していた。4速ギアを失いつつも、セカンドグループと同等のラップタイムをたたき出す。12秒台での走行となり、ポイント獲得に期待が出てきた。48周目、駆動系をいたわりながら吉橋がピットまでマシンを運び込んだ。最後は塩谷がゴールを目指した。マシンの状態は4速ギア以外は非常に良好、12秒~13秒でラップする、52周目で8位、さらに63周目7位に浮上、チェッカーを受けた。

「takuma-gp team KOMACHI」
■高橋佳町監督のコメント

レースは結果が全ての世界です。コンマ1秒を縮めるためにやっているに等しいほど。でもそうではない部分もありますよね。今日は結果だけ見れば散々でしたが、それでも感動できるしチームもファンもみんなで共感し合える…それがレースの根底にある醍醐味だと思っています。拓磨選手に関しては生意気な言い方をさせてもらうと、「やっぱり戦うために生まれてきた男だな」と感じています。色んなドライバーがいますが彼ほど走りたいっていう感情をむき出しにしているドライバーはなかなかいません。最初は走りたいって思っても、上へ行けば行くほど走らされている状態になるもの。彼はそういうステージを知っていながらも走ることの喜びを噛み締めています。でも決してそれだけに満足しているわけではなくて、目指しているものはもっと高いところにあります。このような体制で一緒に上まで行けたらすごいことだし、逆にこのチームなら行けるよね!っとも思います。今後の活躍に期待してください!
■Aドライバー青木拓磨選手 コメント
レース人生のリスタートを迎えるにあたり、まずはこの環境にいられることに感謝しています。今週は金曜日に僕がクラッシュしてしまい、それにより流れが良くない方向に向いてしまいました。でも土屋選手・Takamori.com選手の技量や、監督やメカさん1人1人の力で、目標であった完走を果たせた事は本当に本当に嬉しいです。そして無事にレースを終えられたことは僕にとってスゴク大きなこと、ありがとう!今日はファーストステップだったので、これから課題を整理してしっかりと次戦に繋ぎます。レースは勝てばもっともっと楽しいんです。やるからには勝ちにいきますよ!応援に来ていただいた方々、本当にありがとうございました。
■Bドライバー土屋武士選手 コメント
車が決まってSAMURAIのガレージに届いたのが3週間前。本当に時間のない中、皆の頑張りのおかげでグリッドに付くことが出来てまずは良かったなぁという気持ちが強いです。昨晩も帰る寸前に大きなトラブルが見つかって、もしそれが今日にずれ込んでいたらレースを走れなかった…そういうことも含めて拓磨選手っていうのは流れを引き寄せる強い何かを持っていると感じます。だって拓磨選手は金曜日にクラッシュするし、今日はオーバーレブするし…かなり大変でした(笑) 軌道修正の繰り返しでバタバタのレースウィークでしたが、デビュー戦を完走という、今でき得る最高の結果で締め括ることができて本当に嬉しいです。応援ありがとうございました!
■CドライバーTakamori.com選手 コメント
新しいチームですが、昔から知っている仲間のようで何の問題もなくリラックスしてやらせていただいています。レースはギヤトラブルを抱えた状態でバトンを受けました。5速ホールドでレースをしたのは初めてでしたし正直大変でした。でも土屋選手が無線で指導してくれまして、とても良いドライビングレッスンになりました!面白いレースでしたし、何よりみんな一緒に楽しめたと思います、もちろん僕も楽しみました。ぜひまたこのチームで走りたいです。今日は応援をありがとうございました。
  
次戦は、5月9日「スーパー耐久第2戦・スポーツランドSUGO」です。

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